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脚本家たちのストライキ

2007/11/07 05:14

 

わがロサンゼルス支局はウェストLAはセンチュリーシティというところにあり、ちかくに20世紀フォックスやMGMのビルが並んでいます。必然的に、映画、テレビ関係者の姿をみることも多いのですが、かといって日常業務にはさほど関係があるわけでもありません。しかし、今回は珍しく、支局の立地の良さを認識させられました。

月曜日から始まった、脚本家のストです。

支局に出勤して、やおら向かったのがフォックス本社。車で数分です。まあ歩いてもいけるのですが、なんとなく車に乗ってしまうのがLA流。

いましたいました。プラカードを掲げて、ピケを張っています。すでに記事を送りましたが、同時に送った写真はボツにされてしまったので、せっかくですのでここに掲げておきます。



今回のストは、一般に考えられている「労働争議」的な紛争とは、やや性格を異にしています。類例で言うと、以前にあった大リーグのストと似ています。

つまり、野球選手も脚本家も、搾取される労働者階級として資本家に立ち向かっているわけではない(もちろん貧しい野球選手も脚本家もいますが、ストはかならずしもその人々のためにおこなわれているのではない)。むしろ、商業構造の変わり目において従来の調整機能が働かなくなってしまった結果ですが、大リーグのストがトップ選手の年俸の極端な高騰を招いたように、今回のストも、ハリウッドの構造になんらかの変化を迫るかもしれない、と思います。というか、それが一般的な見方です。

今回の取材で面白かったのは、インターネットの大波に揺れるハリウッドが、私が身を置く新聞業界とパラレルである部分が感じられたところです。たとえば、今回の取材で、「ハリウッドはどこにも行かない」(だから、娯楽の都としてのロサンゼルスは大丈夫だ)という人がいる一方で、「自分の娘は、テレビ番組を2ドルでiTunesにダウンロードして見ている」と危機感を募らせる脚本家もいました。

つまり、嚙みくだいていうと、「おもしろいものは俺たち以外には作れないんだから、大丈夫だ」という自信の一方で、たとえそうだとしても、食いっぱぐれてしまうかもしれない、という不安が持ち上がっている、というわけです。

これを、他人事みたいに新聞業界に当てはめてみると、「ニュースの提供者はわれわれだ」という自信の一方で、たとえそうだとしても、食いっぱぐれてしまうかもしれない、という不安がある、ということでしょうか。

「われわれは古い側(オールド・サイド)にいる人間だからな」と語る脚本家をみて、なんとなく身につまされたのでありました。

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